2025/5/21
朝方に何度か目覚めて、5時15分に起床。昨日の出来事をまとめたりしていた。
シャワーを浴びて、7時ちょっと前に朝食。
部屋に戻って荷物をまとめて支度。家の鍵が見つからなくてちょっと焦った（バックパックの普段使わないポケットに入っていた）。お土産を結構買ったのでキャリーバッグが重くなった。
8時過ぎにロビーに行ってチェックアウト。8時20分に迎えの車がが来て移動。
会場入り口に変なオブジェがある。
21 May 2025 (Wednesday)
Venue: Room 203, College of Engineering Building
Session 4 [09:00 ? 09:40] Keynote Speech
09:00 - 09:40 Keynote Speech 3
Moderated by Professor Tzong-Lin Wu
Dean, College of Electrical Engineering and Computer Science, National Taiwan University
昨日もいろいろなところで活躍していた EECS学部長のWu先生が座長。
Quality Assurance of Engineering Education for the Future, a Taiwan Perspective
Professor Jia-Yush Yen
President, National Taiwan University of Science and Technology
国立台湾科技大学長のYen先生。
・台湾の教育システム。 K-12->学部4年->修士2年->博士2年だが、高校のところで高専みたいな機関があったり短大相当のものもある。しかし高専(Junior college)は90年代後半から大学に転換して減少している。
・高等教育を受けている学生は2014年から減り続けている。その中でも工学が減っており、建築や情報は数をキープしている。
・台湾教育部の教育政策。2017年から大学のプログラム評価・認可をやめて、大学が自由にプログラムを選べるようになった。
・政府の認証の代わりに、認証評価機関が認証をする。IEET（中華工程教育学会）はJABEEの台湾版みたいな認証を提供している。IEETに認証されたプログラムはEUR-ACE認証互換となる。
・関連するEUでの動きを紹介。
2024年4月のCEASER会議(Conference on European Schools for Engineering Education and Research)でのレポート。国際化・ソフトスキル、グリーン・デジタルトランスフォーメーション、PBL・CBL(Change-based learning)、生涯学習、学生中心の学びなどのキーワードが並ぶ。
フォンデアライエンEU議長の言葉から引用。人工知能、量子コンピューティング、セキュアネットワーク、衛星技術など重要な新技術に言及。
2025/4 EUのプロジェクト「スキルの統合」STEM教育戦略
2025/5 EUが科学者・技術者を（アメリカから）招聘する戦略Choose Europe for Scienceを発表
・認証と国際協調：認証によって学生や卒業した技術者の国際移動が容易になる。
・成果ベースの教育(Outcome-based education, OBE)
この後話が変わってAIベースの設計の話。
・車のデザインの例。AI画像生成を使うと、人手で一週間かかる作業が2秒で終わる。3Dプリンタで出力も可能。
・xR空間内での協調作業によるデザイン
・デジタルツイン
・自動運転モデル学習用のデータ生成システム（危険運転の動画像を生成する）
Q&Aセッションで、「IEETの認証では、（昨日の話にあったような）新しいディシプリンによるプログラムにはどう対応するのか？」という質問をしてみた。IEETは数年前に同様の問題を考えた結果、特定の領域に対する教育内容を固定するのではなく、あるプログラムにおいて計測可能な学修成果をはっきりさせて、それを元に認証するとのこと（詳細不明）。生成AIについても議論があった。
09:40 - 10:10
Coffee Break
Session 5 [10:10 - 11:35] AI and Semiconductor
Moderated by Professor Jian-Jang Huang
Associate Dean, College of Electrical Engineering and Computer Science, National Taiwan University
EECSの副学部長のHuang先生が座長。
10:10 - 10:35
Introduction to Taiwan's Chip-Based Industry Innovation Initiative
Professor Tzi-Dar Chiueh
Dean, Graduate School of Advanced Technology, National Taiwan University
台湾は半導体チップの製造では世界トップだが、設計と応用はそれほどでもない。そこで設計産業を増やすための戦略について。
・世界の半導体のトレンド
半導体市場規模は毎年線形に伸びている。2031年には$1000Bに及ぶと予測
半導体市場での各セクションの国別規模。台湾は製造・アセンブリでは世界一だが設計は２位。一方、台湾のGDPは世界のGDPの0.7%に過ぎない。半導体産業でのシェアは20.8%。
半導体の輸出は台湾の総輸出額の38%。政府も半導体技術関連支援の政策を継続的に行っており、CbIは2024年に発表された政策。
・CbIについて
国際協調に基づいて、台湾の半導体製造における優位性を利用しつつ、AIによるイノベーションを包摂する戦略を立てる必要がある。
CbIの戦略として「人材育成」「研究開発」「産業イノベーション」を柱とする。産業イノベーションでは、世界的なスタートアップエコシステムを利用し、生成AIとチップを統合することでイノベーションを起こすという目論見。
7つの大学とITRIによる生成AI研究
ICデザイン、パッケージング、EDAツールの開発
生成AIとチップによってすべての産業でイノベーションを起こす：生成AIでは、ドメイン特化モデル、データの共通化など。チップについてはアプリケーション依存チップ設計の方法論、AIを利用したチップ設計など。
10:35 - 11:00
Large machine learning models on tiny computing devices
Professor Chi-Sheng Shih
Director, Center for Artificial Intelligence and Advanced Robotics, National Taiwan University
Shih先生のロボットがどこかの世界大会で優勝したという座長の紹介でスタート。
最初にセンターについて紹介。AIとロボットだけでなく、スマートファクトリ、バイオ創薬、認知行動科学、ヘルスケアなども含まれている。筑波大と協力関係にあるそうだ。
本題。最初にLLM、VLMについて。デモとして、自動運転車のセンサ情報から推定した周囲の各種オブジェクトのリアルタイム表示を披露。NTUキャンパス内の人のフリーダムな動きから（歩行者と自転車が多い）、自動運転の難しさ。
自動車からのカメラ画像をVLMに見せて、「この後、どのような軌道で動くのが安全か？またその理由を説明せよ」というプロンプトを与えて軌道を予測させると、うまく軌道を予測する。
しかし、VLMを使うには、消費電力とメモリの問題を解決しなければならない。NVIDIAの新しい２つのデータセンターでは、200～260MWの電力を必要とし、これは台湾全体の消費電力に匹敵する。また、モデルサイズはどんどん大きくなり、GPT-4は1.76Tパラメータを必要とする。一方メモリ技術はCPUより進歩が遅く、メモリサイズ・速度ともに伸び悩んでいる。
Computation in Memory (CIM)技術の利用。現在のCIMには制約が多い。
システム例。ARM+FPGAフロントエンドとCIMバックエンドの組み合わせ。消費電力を65～80%削減することができる。
11:00 - 11:25
Degree and non-degree semiconductor programs for international students in National Taiwan University
Professor Jiun-Haw Lee
Director, Global Undergraduate Program in Semiconductors, National Taiwan University
留学生向けに英語で提供される半導体教育プログラム。NTUでは毎年およそ1000人の学生が留学し、同じくらいの留学生を受け入れている。英語で実施されるのコースは1900以上ある。
・GUPS (degree program)
GUPSはさまざまなカレッジと連携している(EECS, GSAT, Engineering, Science, Bioresources and Agricultureなど）。
基礎科学、工業数学、電気電子工学、半導体工学などを４年で学ぶ。卒業研究（連続２セメスター）、インターンシップなどが含まれる。卒業までに、Chinese as a Foreign language CEFR B1レベルをクリアする必要がある。
・STIPT (non-degree program)
Semiconductor Talent Incubation Program Taiwan。TSMCと連携（TSMCとザクソン自由州が契約して、TSMCからNTUに委託しているらしい）。ドイツのザクソン州の11の大学から30人ぐらいの学生を受け入れている。デバイス、ツール、製造の３コース。
・TESSIP, TCIIP （１～２週間の短期プログラム）
Taiwan-Europe Semiconductor Short-term Training Program。複数のヨーロッパの国から学生受け入れ。
Taiwan Chip-based Industorial Initiative Program。インドや日本を含む数カ国から学生受け入れ。２週間のコースで、通常の座学の他にTSMC見学などが含まれる。
11:25 - 11:35
Transportation
今回は別建物まで数分歩く。
途中に農機具が置いてあった。「乗るな」という看板が立っている。
11:35 - 13:30
Lunch
MD Creative Cuisine (by invitation only)
建物はEECSの建物らしい。寄付でできた建物とのことで（全部かどうかはわからないが）羨ましい。
パン、サラダの後にメインがチキンだったのだが、話をしていて写真が撮れなかった。隣に座ったProf. Felix WuとAI ethicsの話で盛り上がった。
戻ります
Session 5 [13:30 - 14:50] Front-end Research
Moderated by Professor Hung-Wei (Homer) Yen
Executive Director for International Affairs, College of Engineering, National Taiwan University
13:30 - 13:55
Memory Innovation through Emerging Device Technologies
Professor Vita Pi-Ho Hu
Professor, Department of Electrical Engineering, National Taiwan University
最近の通信やAIモデルはデータ量が爆発しており、大容量メモリへの要求がある。
メモリの種類。SRAM, DRAM, Flashの違い。プロセッサのチップ上ではメモリ領域(SRAM)が大部分(50%)を占める。SRAMの容量を増やすにはどうしたらよいか。
SRAMはまだスケールし続けているが、容量の増加のスピードは落ちている。これをもっと加速するにはどうしたらよいか。
トランジスタの構造の進化。プレーナ型→FinFET→ナノワイヤ→ナノワイヤの3Dスタッキング(CFET)→２次元構造へ
・CFET SRAM integrated with Back-End-of-Line (BEOL)トランジスタ→CFET SRAM with double-sided routing -> Material FET-based-cv
13:55 - 14:20
Examples of cutting-edge research from the Indian Institute of Science
Professor Satyam Suwa
Dean, Division of Mechanical Sciences, Indian Institute of Science
IIScは7つの部局からなっており、46の専攻がある。いくつかの研究を紹介。1テーマ10秒～30秒ぐらいなので内容が追い切れない。
・クロム鉄鋼の微細構造の変化による性質変化
・Li-Nd-Ti-Oペロブスカイトの構造の研究
・エネルギー変換デバイス（太陽電池など）
・エネルギー貯蔵デバイス
・NVRAM用スピンデバイス
・エナジーハーベスティングのための機械学習を使った材料探索
・原子炉用材料探索のための機械学習
・外傷の治療のための衝撃波デバイス
・腕の骨の癒着を防ぐデバイス
・サステナブルコンクリート
・地下水の再充填による処理水のリサイクル
・バイオ燃料と低炭素技術センター(C-BELT)
・実用化された研究。Oxigen concentrator
・PAIR Network of Advanced Materials: 8大学の協力による材料研究
・国際協力について
・Engineering for Space: スペースコロニーのための自己修復ブロックなど
14:20 - 14:45
Development of Low-Altitude Economy
Professor Hong K. Lo
Dean, School of Engineering, The Hong Kong University of Science and Technology
最初にHKUSTの紹介。工学部は最大部局で、CBE, CIVIL, CSE, ECE, IEDA, MAEなどの分野がある。スタートアップが1,815（アクティブなものだけで）あり、ユニコーンが10ある。
本題。Low-altitude economy（低空経済）は、ドローンや「空飛ぶ車」など低空飛翔体を活用した経済のこと。実現のためには様々なことをする必要があり、「通信・ナビゲーション」「発着管理」「交通管制」「空域区分」「航道設計」「航空規制」の6つが問題。
通信（5G、LoRa通信）、マイクロ気象、発着用インフラ、飛行ルート設計など。
認識、制御、安全の3本柱。認識では3次元空間の認識が必要。制御ではペイロードのあるドローンを軌道上で動かす必要がある。安全のために、たとえばドローン専用パイプを作ってその中を飛ばすとすると、流体力学的安定性が必要。ドローンが出す雑音への対応も必要。
通信においてはセキュアで頑健（切断しない）な通信が必要。
いくつかの具体的プロジェクトの説明。
・HKUSTの試験飛行エリア(LAE Sandbox)。
・ノイズ制御
・通信セキュリティ(OpenSLAS)
・航空路設定
・デジタルツインによるプラットフォーム
・無人機による救助（非常用機材の運搬）
このあとコーヒーブレイク、さらにパネルディスカッションがあるのだが、私はここで離脱。
正門のすぐ近くに公館駅があるので、そこまで歩く。ところで、今日はやけに体を動かしたくなっていて、駅までキャリーバッグを引きながら小走りで移動。昨日ナマコとか精の付きそうなものをたくさん食ったせいかなあ。
公館駅からMRT。まずグリーンラインで南京復興まで行く。
そのあとブラウンラインに乗り換えて松山空港。ブラウンラインはモノレールだった。
スムーズにチェックイン。キャリーバッグを預ける
セキュリティを通った後出国。
せっかく台湾まで来ておきながら牛肉麺の一つも食べないで帰るのは無作法というもの・・・というわけで、軽く牛肉麺。
お土産買う。結構高い
搭乗ゲート前まで来て、学生さんの論文の添削。登場時間ギリギリに終わる。
17:50頃搭乗開始。
順調に離陸して、食事の配布。なんか有名店とのコラボだと言う鶏肉飯にする。飲み物はリンゴジュース。
22時過ぎに到着の予定であったが、やや遅れている。羽田空港の近くまで来たときに、一度着陸できなかったらしく、もう一度大きく旋回して再チャレンジ。東京の上空をぐるぐる回っていて遊覧飛行みたいだった。夜景が美しく、スカイツリーがよく見えた（窓際の席ではなかったので、写真はない）。
22時半を過ぎてようやく着陸。
入国後、バゲッジクレームへ。なかなか荷物が出なくて10分以上待つ。前回海外から羽田に来たときとは税関のシステムが変わっているように思い、ちょっととまどった。古い人間なので紙で申告して外へ。
ミクさんがお出迎え
京急で大鳥居まで。
ホテルは東横イン羽田空港２で、大鳥居駅の出口から徒歩10秒ぐらいのところにある。チェックイン後、眠いけどシャワーを浴びて、24時前に寝る。
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