2025/10/29
外が結構うるさくて、冷蔵庫もぶんぶん言っているので、あまり眠れない。そのうち毛布1枚では寒くなってきたので、夜中にダウンジャケットを着込んで寝る。
5時起床。なんで寒いのか見てみたら窓が開いていた。カーテンの向こうなので気がつかなかった。外気温は5度以下だったはずなので、そりゃ寒いよね。今更窓を閉める。
持ってきた食料を少し食べた後、朝の支度をして出発。
駅はホテルのすぐ前。
駅のコンビニが開いていたので、サンドイッチとコーヒーを買って食べる。
KTXの待合では、次の便が大きく表示されているのだが、出発ホームが直前にしか表示されない。6:03の便で出発予定だが、5分前ぐらいにようやくホームが表示されて、そちらに移動。
KTXに乗り込む。3回目だが、前回・前々回とシートが違う。
車内ディスプレイがあるのだが、出発時には裏のWindowsの画面が出ていて、何回か再起動していることがわかる。調子が悪いのかな。
席は結構ガラガラだが、なぜか隣に女性が座る。彼女は大きいカップにストローみたいなのが突き出たものを持って乗ってきた。コーヒーを持ってきたのかなと思ったら、中身はおでんだった。車内でおでんを食う女は初めて見たかな。
2駅過ぎるぐらいで車内は満席に。寝不足なので寝ていく。途中の天気はずっと霧。
8時すぎに東大邱駅に到着。
トピアリーがたくさんある
地下鉄を1回乗り換えると嶺南大学まで行けるのだが、時間があまりないので、タクシーで行くことに。
地下鉄だと40～50分と言われていたが、道が結構混んでいて、結局タクシーでも同じくらいの時間がかかった。運賃は20000ウォンとちょっとなのでたいしたことはないが、これなら地下鉄でも良かったかな。
9時ちょっと過ぎに嶺南大学のキャンパスに到着。
到着してみたが、会場がどこだかわからない。会場を教えてくださいと前々日に嶺南大に連絡しておいたのだが、返事がなかった。学生たちはホテルからまとめてバスで来ているので問題はないはず。連絡をしようにもeSIMが通信に使えない状態なので困った。eduroamがあったのだが、なぜか接続できない。近くにスタバがあったので、その近くに寄ってフリーWIFIの電波を拾ってようやくオンラインになると、研究室の越川君からDiscordで連絡が来ていた。彼にお願いして会場を教えてもらい、なんとか到着。
最初にGeneral ChairのPark先生の挨拶があったはずなのだが、その頃は外でうろうろしてたので間に合わなかった。
Keynotes
Orbital Angular Modulation for Wireless Communications
Prof. Haiyue Jing (Dalian U of Tech)
途中から聞いた。スライドが数式のみで目的の所を聞いてなかったのでよくわからない。
Data Privacy and Security in the AI Era
Prof. Sejong Lee (Yeungnam U)
学習データのプライバシーとセキュリティについての講義。量子耐性暗号、連合学習によるプライバシー保護学習、データ生成によるプライバシー関連箇所の削除などが紹介された。
コーヒーブレイク
Session 1
Can differable Approximations Mitigate Gradient Obfuscation in k-WTA? (Tohoku U)
大町研のゴンサルヴェスさん。画像への敵対的攻撃を防ぐモデルとして、k-WTAが提案されている。k-WTAは、ReLUのようなアクティベーションだが、ある層に複数あるユニットの上位だけを通して残りは0にする（top-k poolingみたいな）もの。変な処理なので当然微分不可能でバックプロパゲーションできない。そこで、似た効果を持つけど微分可能なGumbel-softmaxを使って比較してみた。通常の入力に対する性能は上がったが、敵対的攻撃への耐性はいまひとつ。
Speech Enhancement in Noisy Environments using a CNN-Transformer Hybrid Model (DLUT)
FFT-CNN-Transformer-CNN-IFFT型の音声強調。特に新しみはない気がする。「Diffusionモデルと比べてみたら？」と「出力側はニューラルボコーダを使った方がいいよ」とコメントした。U-Netとの比較も言っておけばよかったかな。
Cross-frame Consistency: Class-Agnostic Segmentation Without Manual Labels (Tohoku U)
大町研。RGBD画像を使って、クラスによらない3次元物体セグメンテーションを行う。最初にRGBでセグメンテーションしておいて、それに深度画像を加えて3次元復元を行う。最初に2次元セグメンテーションを行うことによって、椅子の座面と足のように、深度が違うけど一つのオブジェクトであるものが複数オブジェクトとして認識されることを防げる。また、映像を対象として、フレーム間のマッチングを取ることで精度を上げる。
Secure OTA Scheme Using BlockChain and Access Control (YU)
Software Defined Vehicleなどにソフトウェアのデプロイを行う際に、真正性の担保と負荷分散を目的として、ブロックチェーンを使ったデプロイを提案。「複数サーバから電子署名つきのアップデートファイルを配るのと比べて何が良いのか」と質問したが要領を得なかった。
A Two-Stage Model for Generating Facial Animation using Multiple Landmarks (Tohoku U)
うちの研究室の舒くん。テキストから顔特徴点動画を生成して、特徴点動画から実際の動画を生成するフレームワーク（内容的には1年以上前のもの）。動画を安定させるために、顔特徴点を増やすとともに、肩など頭以外の特徴点も使った。
Fast and Lightweight Detection of Prompt Injection Attacks in Large Language Models (YU)
LLMが答えてはいけない質問（爆弾の作り方とか）に答えないようにする方法。普通は答えないのだが、長い質問の中に紛れ込ませる(Prompt injection)ことで防御をすり抜けることがある。従来は、答えてはいけない質問かどうかを識別するモデルを別途用意するか、LLM自体に判断させる方法が使われていた。提案法では、LLMエンコーダの途中の各層の出力を特徴量として、質問の分類を行う。
昼食。Park先生とご一緒する。写真が撮れなかった。
Session 2
Non-dominated Sorting Quantum Evolutionary Algorithm and Its Application in Antenna Design (DLUT)
アンテナ設計に量子コンピューティングを使う。方法は進化計算。集団を小集団に分けて、それぞれの小集団を独立に進化させる。応用として、6×6のアレイアンテナの隣同士を連結するかしないかを最適化。本物の量子コンピュータを使ったのか聞いてみたらそうではないらしい。それなら実用的には量子コンピューティングの枠組みにする必要はないのになあ。
Blockchain-based Detection of Invalid Vehicle IDs (YU)
車のナンバープレートで、盗まれた・ねつ造されたものを検出するのが目標。これにブロックチェーンをつかうとのことだが、ナンバープレートとハッシュ値をどう紐付けるんだろう？よくわからなかった。
Fast and Speaker-Independent Utterance Selection for ASR-Free CALL Systems of Minority Languages (Tohoku U)
当研究室の越川くん。直前にAPSIPAで発表した内容の焼き直し。音声認識・合成を使わない対話システムを利用したCALLシステムの提案。少数言語の練習システムとして使う。話者の影響を除くために特徴量計算にContentVecを使い、それをベクトル量子化および時間方向に縮約することによって照合を高速化する。
Tracking Global Afforestation Progress and Patterns Under Sustainability Agendas (DLUT)
複数のリモートセンシングデータにより、植林がどう進んでいるかを把握する。ある点の時間ごとの値を折れ線近似する（理由がよくわからないが、欠損値の問題か）。最終的に30x30m精度で監視地域の植林状況をモニタリングすることができた。中国のThree-north regionの例（三北防護林プロジェクト）について紹介。
Training-free, Privacy-Preserving Risk Alerts for Child-Adult Proximity in Real-World Video (YU)
公共空間での子供の安全性のため、子供に危険があるかどうかの監視システムを提案。従来は空間内の人物がどんな人なのかを識別するが、プライバシー保護のためにそれは行わない。観測した人物の身長および人物間の位置関係（距離、接近速度、近くにいる時間など）だけを使ってリスクを計算する。識別はルールベース。1% false positiveのときにtrue positiveが43%ぐらい。子供と親が一緒にいるときはどうするのと聞いてみたが、人物間の関係は考慮しないそうだ。
A Study on Embedding Road Constraints into Lane Representation (Tohoku U)
大町研。車の未来の軌跡を予測するタスク。従来のモデルを使うと、平均的には良くても、車が道路を外れてしまう外れ値が発生する。これを防ぐため、道路の制約（車は車線しか走らず、車線には方向がある）をモデルに導入。車の周囲の異なるエリアから車に対して「メッセージ」を送ることで制約をモデルに伝える。コンペに出して世界4位。なんで1位じゃないのかと聞いてみたら、さらに上位のモデルは特定の評価指標を上げることに注力しているとのこと。
コーヒーブレイク
Session 3
Multi-teacher Knowledge Distillation for Forged Speech Detection: Separating Synthetic and Converted Speech Artifacts (DLUT)
自然音声と合成音声の識別。原稿をずっと読んでいる。
テキスト合成音声(TTS)の検出モデルと、声質変換音声(CV)の検出モデルをそれぞれ作って、それを1つのモデルに蒸留するというアプローチ。
TTS検出はTIM-Netという手法。MFCCとその時間反転を使って識別をする。VC検出ではLFCCとCQTをResNet18で識別する。生徒モデルはLFCC+ResNet18。
KidGuard: YOLOv10-Based Detector-Tracker-Interaction Fusion for Child-Centric Proximity & Trajectory Alarms in CCTV (YU)
こちらも子供の保護のための画像解析システム。監視カメラに写った子供の誘拐シーンなどを検出するのが目標。人物検出はYOLOv10-Sで、それをOC-SORT tracker モジュールで追跡。人物にIDをつけて行動を追跡して急速な接近などを検出する。子供と大人の接触判定は、距離、接近速度、接触時間(time-to-contact)による。これを使って人物の時間空間的関係をグラフで表現してリスクを判定する。モデルはthreatとalertの2つの指標を出力する。
Readability Evaluation for Noise-Affected Scene Text and Natural Images (Tohoku U)
画像中の文字の読み取りやすさを推定するために、さまざまな文字入り画像の読みやすさを一対比較した。画像の劣化として信号処理、雑音負荷、符号化など30種類を用意。一対比較の結果から、各画像のEloスコアを算出。画像として文字が含まれている看板とかの画像セットと自然画像のセット（必ずしも文字が含まれていない）の2つを使い、評価の傾向が違うという分析をしていた。「自然画像の読みやすさとは何か？」と聞いてみたのだが、解釈は評価者におまかせとのこと。
Bayesian Double Coupled Canonical Polyadic Decomposition for Target Localization in Multistatic MIMO Rader (DLUT)
Polyadic decompositionは（3次元）テンソルを3つのベクトルの外積の和に分解する操作。同様にDouble-coupled CPDは2つのテンソルを同時にベクトルの外積の和に分解する。これをMIMOレーダーによるターゲット検出に利用するのだが、どういう原理でどう使うのかは理解できなかった。Bayesian DC-CPDはベイズモデルによる同様の分解。
Reverse ISP with Deep Functional Ensambles: Upscaling RGB to High-bit RAW (Tohoku U)
大町研の朴さん。朴さんは嶺南大学出身なので今回の出張ではだいぶ助けてもらった。
低解像度のRGB画像から高解像度のRAW画像を推定する。2つのエンコーダでRGB画像を処理した後、その出力を合わせて4つのモジュールで処理し、最後に全部合わせて高解像度RAW画像を生成する。モジュールはLPF, HPF, Mist, CPLの4つで、それぞれ低周波成分と色、高周波成分とエッジ、明るさが飽和した成分、チャンネルごとの処理を行う。
ここでオーラルセッションが終了し、ホテルに移動。建物の前に待っているバスに乗る。
朝よりはだいぶ道がすいていたので、スムーズにホテル着。
いったんチェックイン。昨日の宿はアレだったので、豪華なホテルがうれしい。
18時からバンケット会場の前でポスターセッション。
ポスターセッション
Preliminary Research of Multilingual Models for Implementing Japanese Audio Captioning (Tohoku U)
当研究室の吉田さん。日本語のオーディオキャプショニングを目指していて、各言語でのデータベースやキャプショニング技術についてサーベイした。
A Satellite-based Predictive Model for Site Suitability and Yield Estimation of Pyropia (Lavar) Aquaculture (YU)
聞けなかった。
Study Toward a Multi-location Environmental Sound Dataset Including Temporal Environmental Changes (Tohoku U)
当研究室の菅谷君。仙台市内の環境音データベースを作っている話。
An Overview of Regression Theory and Practical Applications in Linear Models (DLUT)
通常の線形回帰と、リッジ回帰など正則化つき回帰、非線形回帰などのサーベイ。
IoT-baed Medication Reminder System (YU)
服薬を忘れないように注意喚起するシステム。
Development of a Voice Conversion Model Using Self-Supervised Speech Representation and Considerations on Real-Time Implementation (Tohoku U)
当研究室のわたなべくん。リアルタイム声質変換のために、自己教師あり学習に基づく事前学習モデルの使われ方、従来のリアルタイム変換モデルについてサーベイ。
LocalRecipe: AI-Based Ingredient Management and Recipe Recommendation (YU)
お買い物のレシートをLLMが書き起こし、レシピ提案APIを使って今日の献立をご提案。
Seat Researvation System Using Arduino and Python Django (YU)
座席予約システムなのだが、直接話が聞けなかった。DjangoはいいとしてArduinoを何に使うのかな。
このほかに、嶺南大学のIT関連学生クラブ活動が3つほどポスター展示をしていた。ITやセキュリティなど、プログラミングやアプリ作成をみんなで勉強して、コンペに出て賞を取ったりしているらしい。
18:40ぐらいに隣の部屋でバンケット。嶺南大の先生方とご一緒する。
1時間ほどでみんな腹一杯になったので流れ解散。
まだ時間が早いし、歩数が足りないので、少し周囲を散歩することに。
なんか花がたくさんある店を発見。開店記念かな。中はレストランらしかったが人はいなかった。実際の回転は明日以降なのかも。
途中スーパーがあったのでなんとなく覗いてみる。お菓子が結構あり、お土産に買っていくことにした。
21時ごろ戻り。歩数も十分。昨日シャワーを使えなかったので、湯船にお湯を張ってゆっくり浸かる。その後少し日記を書いたりして、22時半頃寝る。
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