今日の予定は，午前中Eurospeechがあって，午後からリンドス観光ツアー だ．午前中いっぱいセッションに出たいところだが，荷物のことがあるので，12時 から1時半の Language Model Adaptation のセッションだけに出ることにする．
7時頃に地階に降り，食堂とEurospeechの受付を確認．受付はまだ誰もいなくて 暗い．食堂に入って朝食．朝食はバイキング形式で，各種パン，卵，ベーコン， ハム，チーズ，果物などが取れる．豆のようなものがあったので取ってみると， ギリシャ名物オリーブの漬物で，くせがありしょっぱかった．朝食の後， Eurospeechの受付が開いたので，一式をもらってくる．その後部屋へ．
部屋から，アリタリアのlost&foundに電話をかけてみる．また留守電だ． らちがあかないので，手持ちのNICOSカードのパリセンターに電話をかけ， 確認を頼んでみる．妻と娘は買物．一人で部屋にこもって，日記を書きながら， 時々アリタリアに電話を入れること3時間．NICOSのパリセンターから電話 があり，アテネの代理店に話を回してほしいとのこと．アテネの旅行会社に 電話をするが，通じない．11時を回った後，やっとアリタリアのlost&found に電話が通じる．電話の相手は非常に感じの悪い男の声で，「ああ，それなら 10時の便で送ったよ！」と，それだけ．ロドスの空港でどこに行ったらよいか を聞いても，「オリンピック航空で送ったんだから，そっちで聞きな！」と， サービスも何もあったもんじゃない．約束した宿への連絡は入れてないし， 荷物を宿まで送るなんて考えてもいないようだ．最低だ．
その後，アテネの旅行会社に電話が通じたので，事の次第を話して補償の交渉 を頼む．しかし，「日本に戻ってから，切符をとった旅行代理店を通して 交渉した方がよい」というので，その話はひとまず終わりになる．
荷物をすぐに空港に取りに行きたいところだが，12時からセッションがあるので， 1時半以降に行くことにして，とりあえずEurospeech会場へ．Eurospeech会場は， ちょうどcoffee breakの時間で，参加者でごった返している．いかに大きいホテル とは言え，1000人以上の参加者がいるのだ．私は目的のセッションの会場に入って しばらく待った．そのうちセッションが始まった．
今回のEurospeechの言語モデル関連の発表は，言語モデル適応の話が非常に多い (私の発表もそうだが)．今日と明日のセッションまる2つと，ポスターの一部が 適応関係だ．セッション途中の議論で，「パープレキシティは下がるのに，単語 エラー率が下がらないのは何故か？」という議論があり，興味深かった．
1時半ごろセッションが終わり，参加者たちは食事に行く．今日は3時から観光が あるので，みんな早目に昼食を取ろうとして，レストランは混みあっている． 東芝の永田さんが来ていたので，少し立ち話をする．私は部屋に戻り， カロリーメイトを1本食べて，荷物の確認の電話をする．最初にオリンピック航空 に電話をしたら，「うちじゃなくてロドスの空港事務局にかけてください」 ということで，空港の電話番号と担当セクションを教えてくれた．やはりサービス 業はこうでなくちゃ．どこかの航空会社とは大違いだ．空港のlost&found に電話すると，確かに荷物はあるそうだ．ただし，3時から4時まで休みなので， いますぐ来るか4時過ぎに来いとのこと．あわてて出発する．
空港に行く手段はバスかタクシーだ．ホテルのフロントでタクシーを頼むと， 「外にタクシーステーションがあるから，そこで拾え」とのこと．外に出てみる と，それらしいものは特にない．空港に向かって少し歩くと(ちなみに空港までは 12kmだ)，バス停らしいものがあるが，行き先も時刻表も何も書いていない． しかたなく，来るタクシーすべてに手を挙げてみる．ギリシャのタクシーは 空車表示がないので，近くまで来ないと空車かどうかわからないのだ．5分ほど 手を挙げたところで，ようやく空車がつかまったので空港へ．
乗ってしまえば，15分ほどで空港につく．lost&foundのカウンターを探して， バゲッジクレームのところにいるおじさんに聞いてみたが，この人は英語が 全然だめらしかった．たまたまその横にいた人が通訳してくれて，lost&found の場所を教えてもらう．lost&fountはカウンターではなく，事務所のような 所にあった．そこには，私のサムソナイトのスーツケースが確かにあったので， 受けとる．これで一安心だ．
空港からタクシーでホテルに戻ると，ホテルの前は午後の観光に行く参加者で ごった返していた．ホテルに着いたのは3時少し前で，なんとか観光に間にあった．
一度部屋に戻ってスーツケースを置いてから，ロビーに降りて観光バスの所へ． なぜか馬に乗った二人の男がいる．今回の観光はEurospeechの参加者全員+同伴者 が対象なので，1000人以上の大ツアーになる．当然非常に混みあい，なかなか バスに乗れない．そのバスも，ロドスの観光バスを全部集めたかと思うほど次々 とやってくる．ともかくバスに乗りこみ，出発．
リンドスは，ホテルのあるイクシアから50kmほどあり，バスで1時間ほとかかる． バスの中では，ガイドのおじさんが説明をしてくれるが，ギリシャ訛りがあるのと， 固有名詞が多いので，なかなか聞きとれない．まわりは，土色の山に，ほこりっぽい 色の潅木とオリーブが生えた光景である．青い海とは対照的だ．道のあちこち にホテルがある．山の中の何もない所にもポツンとホテルだけが立っていて，プール サイドに人が寝そべったりしている．不思議な光景だ．
途中，ギリシャ名物のせともの屋に寄って，壷作りの実演を見せてもらう．足で 回すろくろが独特だ．店の中には皿や壷がたくさんあったが，特に買わずに早々 に外に出た．
そこを出てリンドスへ．リンドスはロドス島で2番目の町だ．バスはせまいせまい 道を入り，広場で方向を替えて駐車場へ．着いたのは4時過ぎだが，6時に出発 するという．着いてすぐの店先でアイスクリームを売っていて，娘がそこから 動かないので，やむなくアイスを買う．
ここからアクロポリスに行くのだが，途中でせまい路地を抜けていく．路地の 両側には，おみやげ屋，レース，Tシャツ，かばん屋，レストラン，バーなどが ひしめき合っている．この雰囲気は，長崎にちょっと似てるかなと思った．
街の中で，古い教会に入った．ビザンチンの文化というか，古いキリスト教色 の来い所だった．中ではオリーブ油のランプが灯され，宗教画が全ての壁を 彩り，それ自体が一つのキリスト教世界を表しているのだった．
街を抜けると，アクロポリスの石段を登る．娘をかたぐるましながらなので， けっこうきつい．「ギリシャの山寺と呼ぼう」などとローカルな冗談を言いつつ， ひたすら登る．ここの登りは，ロバで上まで乗せてくれるという商売が成り立って いる．かなり疲れて上まで登ると，リンドスの白い家並みと美しいビーチが一望 でき，すばらしい．アクロポリスの頂上には要塞のような建物があり，これまた きつい段を登って上まで行く．上を一通り巡って降りてくると，もう6時近い のであった．
6時ちょうどにバスは出発し(戻ってこない人が数人いたらしい)，そのまま走って 7時頃にホテルに着いた．部屋に戻ると強烈な眠気に襲われ，そのまま眠って しまった．
目が覚めると，9時半頃だった．外に食べにいくのも疲れたので，手持ちの食料 (たくさん持ってきたのだ)を食べようということになり，パン，チキンラーメン， その他少々を食べる．ちょっとわびしい．
戻ってきたスーツケースを妻が見てみたところ，一部開けられた形跡がある らしい．スーツケースには，番号の鍵が一箇所と，普通の鍵が二箇所ついているが， 普通の鍵の方が二箇所とも開いており，うち一箇所は鍵穴にこじ開けられたような 跡があった．また，バゲッジタグの一部がケースの蓋にはさまれていて，少なくとも 一部こじ開けようとした跡がある．ますます腹が立つ．アリタリアには二度と 乗らないぞ．
その後，シャワーを浴びて寝る．明日は発表だ．