予定の6:15を過ぎた頃にバスで宿を出発．また高速を30分ほど走り， 空港へ．今回はよくバスに乗る旅だ．アリタリアのチェックインカウンター に行き，「昨日乗れなかったので，9:05発のアテネ便に乗せてくれ」 と言うと，カウンターのおねえさんは「まずチケットカウンターで発券して もらえ」という．それでチケットカウンターに並んでいると，アリタリア の職員らしいおじさんがやってきて「ここじゃなくチェックインカウンター に行け」という．どっちなんだいったい．アテネに行く集団が空港内を あっちに行ったりこっちに行ったりしていた．結局チェックインカウンター で搭乗券を出してもらい，さんざん時間をかけて荷物の確認をして，出国 ゲートへ．出国といっても，昨日と同じくいいかげんで，ろくにパスポート も見ない．ローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ空港はさすがに大きい空港らしく， ゲート付近にたくさんの免税店やらバーが並んでいる．昨日飲みものがなかった のを反省して，パックか缶のジュースがないかと探してみたが，売っていなかった． ローマの空港の椅子は針金ででいていて座りごこちが悪い．
さてローマ→アテネ便AZ716は9:05発で，チェックインの時には8:35まで ゲートに行けという注意があった．ところが，8:35どころか，9時を過ぎても 一向にゲートが開く気配がない．もうこの頃には「どうせアリタリアだから…」 とあきらめて，怒る気にもなれない．出発ゲート付近には，9:35という時刻 が書いてある．いきなり30分遅れか．
9:30近くになり，ようやくゲートも開こうという雰囲気になってきた．しかし， ゲートが開いてもなかなか列は進まない．搭乗券のモギリが一人だけで， しかも数人通しては端末を操作したり電話したりしている．もう9:35はとっくに 過ぎている．ようやくゲートを通ったと思ったら，進んだ先は飛行機ではなく バスであった．これだけ遅れておいて，これからバスで行くかー．しかも客の進み が遅いため，バスもなかなか発車しない．ようやく飛行機が動いた時には10時をすで に回っていた．
ローマ・アテネ便はDC-9クラスで，一応3人席に一家で座れたのだが，喫煙席 だったためタバコ臭い．時に前のおばさんの吸っているタバコの匂いがきつく (ちょっと日本ではお目にかからない匂いだ)，閉口する．機内食は， リンゴのゼリー寄せ，チェリーヨーグルト，オレンジジュース，クッキー，パン． オレンジジュースはパック入りだったので，2個キープする．飛行機は揺れがひどく， 気分が悪くなった．アテネに近くなると海が見えたので，咲菜に「ほら，ギリシャ の海だよ」と言って見せると，「わーいギリシャの海だ！」と大喜びしている． 目的地に着いたと思っているのだ．この先さらにあるというのに． 「もう一回飛行機に乗るんだよ」と言うと，もう飛行機に乗るのはいやだと言う． いままでさんざん乗ったから無理もない．「この海でいいでしょ，ねえ，おとうさん」 娘がかわいそうになる．こちらも疲れているし，泣きたくなる．
13時頃，ようやくアテネ着．アテネでもボーディングブリッジは無く， タラップを降りて直接到着ロビーへ．到着のホールにオリンピック航空のカウンター があるので，すぐにロドス行きの便の変更を申し出る．すると， 「夜10時なら確実で，6時の便 はキャンセル待ち」とのこと．これで，今日まる一日ムダになることが決定した． どうするか悩んだが，とりあえず10時の便をキープし，6時の待ちにも入れてもら うことにした．ホテルに電話し，到着が遅くなることを連絡．そのあと，近くの 両替でドルをドラクマに替える．$380ぐらいが10万ドラクマ以上になり，ちょっと 気が大きくなる(別に価値が増えたわけではないのだが)．そのころ，妻は近くにあった カートを借りようとしていたが，職員のおじさんに文句をつけられていた． ギリシアでは，空港のカートは有料なのだ．PORTERと書かれたカウンターがあった ので，有料で荷物を運ぶサービスをやっているのかと思いきや，カートを借りる カウンターだったのだ．しかたなくカートを借りずに，荷物のピックアップの前 で待つ．
そうこうするうちに，荷物が出はじめた．じっと待つが，なかなか出ない． 最後に近くなったところで，黄色いボストンパッグの方が出る．もう一個の スーツケースが出るのを待つが，なかなか出ない．「まあ遅れても，荷物が 出ればよしとしよう」などと冗談を言っているうちに，回転台のところの 便名が消えてしまった．これだけ時間を無駄にされたあげく，荷物を置いて いかれてしまった！！
あわてて，近くのバゲッジクレームのカウンターに行って，係員に話しかけると 「私はルフトハンザだ」と言われる．アリタリアのカウンターには人がいない！ カウンターの回りを必死で探すが，それらしい人もいない．カウンターに戻って みると，妻がオリンピック航空のカウンターで交渉していた．その人がアリタリア の係員らしかった．係員の話では，「たぶん 次の3時の便で来るのだろう． もしかしたら元々乗るはずだった夜中の便で来るかもしれない」…もうこちらは言葉 もない．荷物が来たら，オリンピック航空の便に乗せてロドスまで送るので， そうしたら宿に連絡するということなので，ホテルの電話番号を知らせて，クレーム の書類を受けとる．ここまで来たら，もう何も怖いものはない．どうせロドス 行きの便は夕方だし，それまですることもないので，アテネの観光でもしよう ということになった．とりあえず荷物のピックアップを抜けて，アリタリアの チケットカウンターで帰りの便のリコンファームをする．
さて，アテネの国際便のターミナルは東ターミナルで，国内便はオリンピック航空 専用の西ターミナルだとガイドブックにあった．それで，西ターミナルはどこだ？ と，あたりを見まわしてみた．見たところ，西とおぼしき方角に大きくて平べったい 建物があるので，とりあえずそこまで歩いてみた．しかし，そこは単なる倉庫の ようだった．しかたなく東ターミナルまで戻り，インフォメーションを探して， 西ターミナルはどこか聞いてみた．すると，91番か19番のバスに乗っていけという． バス停にチケット売り場があるので，そこで西ターミナルまでのチケットを買う． バスが来たので乗りそうになるが，チケット売りのおじさんが「それは西ターミナル 行きじゃないよ」と教えてくれる．さらに待つと，こんどこそ西ターミナル行きらしい バスが来た．乗客が降りて，さあ乗ろうかとバスの中扉の所で待っていると， バスの中扉が閉まってしまった．これまでさんざんトラブル続きだったので， また置いていかれるのでは！？と思い，必死で扉をばんばん叩く．すると運転手が， 前から乗れという．単に前乗りだったようだ．「そんなに扉をバンバン叩くん じゃないよ」と言われてしまう．さてバスは出発して，走る走るどんどん走る． 10分以上も走り続けた．ようやく西ターミナルらしい空港に来たが，これは 西「ターミナル」じゃなくて，別な空港と言わないか？空港には，セスナのような 小さい飛行機や，20人乗りくらいの飛行機がたくさん止まっている．もしかして ロドス便もこういう飛行機では？と，ちょっとまた不安になる．
さて，西「ターミナル」(「オリンピック空港」と呼ばれているらしかった)に 着いたところで，チケットカウンターに行き，さっき東ターミナルのカウンター でもらった書類を見せ，チケットの変更を申しこむ．事態は同じだったが，6時半， 8時，10時20分の便があることがわかった．6時半と8時のキャンセル待ちに 入れてもらい，チケットを変更する．ついでに，帰りの便もリコンファーム．
さて，次はアテネ観光だ．まず荷物が邪魔なので，荷物預かりがないか探す． 空港内にはなかったが，空港の前の店でロッカーサービスをやっていたので， そこに大きい荷物を預け，タクシーに乗る．タクシー乗り場はえらく混んで いた．
予定外のアテネ観光の行き先は，アクロポリスだけにした．アテネの市内を見て 回る時間はない．タクシーでアクロポリスまで行くと，4000ドラクマ取られた． ちょっとふっかけられたらしい．(が，日本よりはかなり安い)
アクロポリスの入口の前には馬車がいて，おじさんが乗らないかと話しかけてくる． 娘は乗りたがったが，断った．アクロポリスは山のてっぺんなので，みんなで 歩きはじめる．アクロポリスの入り口近くにある売店でジュースを買って飲み， 少し休んで，それからチケットを買ってアクロポリスに登る．さすがにアテネの アクロポリスは壮大である．咲菜もけっこう喜んでいる．しかし，アテネは暑く， けっこう疲れて汗だくになる．乾燥しているので，蒸し暑くないのが救いだ． 地面は大理石で，靴がほこりで汚れてまっ白になった．アクロポリスには，ガイド ツアーがたくさん来ていて，英語・日本語・ドイツ語などが入り乱れている． 日本語を話すギリシア人のガイドのおばさんが咲菜に話しかけたりした．
アクロポリスの上では，パルテノン神殿，エレクティオン神殿(有名な，少女の像 が柱になっているやつ)，博物館と見て回る．山のてっぺんだけに，けっこう上下 がはげしく，足元もごつごつしていて歩きにくい．
アクロポリスから降りて，また売店近くで一休みした後，表通りでタクシー を拾おうとする．近くにタクシーがいたので近づくと，ここじゃなくて少し 先にタクシーステーションがあるので，そこで乗れという．ギリシャには バス停ならぬタクシー停があるのだ．言われた通り行ってみると，確かにそれ らしい所はあった．しかし，人は誰もおらず，車通りもほとんどない．不安になり， 街の中心に歩いていく．途中にある店のおばさんが声をかけてくれて，「その先 の交差点のところで拾うといいよ」と教えてくれる．その通りに行ってみたが， 空車のタクシーは全く通らず，いよいよ心細くなってきた．とぼとぼ歩いていくと， 近くに割と大きめのホテル(ディバニ・パレス・アクロポール・ホテル)があったので， タクシーがいるんじゃないかと前まで行ってみた．しかし，タクシーはいなかった． タクシー屋に電話してみようということで，ホテルのロビーに電話を探しに入って みたが，電話は無いようだった．妻が意を決して，フロントにタクシーを呼んで もらえるか交渉．しばらく待てといわれて，ロビーで休む．何台かタクシー が来たが，それは違うようだった．この時，咲菜はロビーのソファで寝てしまった． 子供は強い．ポーターらしい人に「あと数分待て」と言われて，さらに待つ． その後タクシーが来て，ようやく乗れたのだった．ポーターにチップを渡し， タクシーで空港へ．帰りのタクシーは2000ドラクマだった．
空港に着いたところで，一時預かりで荷物を受けとり，キャンセル待ちのため カウンターに並ぶ．7時近かったため，8時の便の待ちに入った．次は7:50に来い という．そこで，空港で1時間近く待つ．その間に，アリタリアのlost&found に電話してみるが，留守電だった．空港のバー(Olympic Catering と書いてあった ので，オリンピック航空の経営なのだろう)で，アップルパイとコーヒーを買う． コーヒーを飲み，アップルパイは咲菜に食べさせるために取っておく．
7:40頃カウンターにもう一度行ってみると，席が取れたという．やった！ この旅行で初めての明るい話題ではなかろうか．すぐにゲートに入り，出発ロビーへ． ここからロドスへの便はバスでの乗りこみになる．オリンピック航空のモギリは アリタリアとは比べようもなく手際が良い(と思った)．「38番のバスに乗れ」 と言われて外に出たが，38番のバスはちょうど出発したところであった． うろうろしていると，係員らしい人が「39番だ」というので，39番のバスに乗る． その後に来た10人余りも，39番のバスに乗って待っていた．しかし，そうこうする うちに38番バスが戻ってきた．さらに，新しく外に出てきた人たちは38番に乗って いる．来た人に聞いてみると38番だというので，あわててみんな38番に乗りかえる． そのうち38番バスが出発．38番バスは空港内をなぜかぐるぐる回ったあげく，よう やく飛行機の前へ．割と大きい飛行機で，ちょっと安心する．
オリンピック航空のアテネ・ロドス便は片側3列で，乗り心地はローマ・アテネ よりもはるかに良い．アテンダントの態度もアリタリアより良く思える．機内では コーヒーとオレンジジュースをもらう．空から見るアテネの夜景は美しかった．
40分ほどでロドスに着いた．そこでもう一度アリタリアのlost&foundに電話 してみたが，留守電．ホテルに電話して聞いてみたが，アリタリアからの連絡は 入っていなかった．ロドスの空港のlost&foundを探したが，見つからない． しかたなく，ホテルに行くことにする．空港前では，すぐにタクシーが拾えた． さすがに観光地らしく，タクシーの運転手も愛想がいい．「英語はあまり話せない」 と言いつつ，「ロドスはいい所だよ」などと話をするのであった．
ホテルはRodos Palace Hotelというホテル．行ってみると，実質20階建て(いちばん 下の階はGround Floorなのだ)の巨大ビルであった．近くにsupermarketと書かれた 店が開いている(といっても，おみやげ+雑貨+食料品屋である)．なかなか便利そう だった．到着が一日遅れだったのでフロントで少しもめたが，無事チェックイン． 部屋は11階の20号で，ツインルームである．ベビーベッドも入れてもらった． ともかく荷物を整理(といってもスーツケースが無いが)した後，何か食べたいと いうので，近くのスーパーに買い物に行った．一番近い店は既に閉まっていて， その先の店(といってもすぐ近くだ)でバナナとりんごを買う．ギリシャでは 果物や野菜はキロ単位の値段表示で，重さを計って売ってくれるので，バナナ1本 りんご1個から買えて大変便利だった．部屋に戻って，買ってきたりんごと バナナ，日本から持ってきたチキンラーメンを食べる．その後，シャワーを浴び たが，スーツケースがないため下着の替えがない．昨日も下着を替えなかった ので，とりあえず着ていた下着を全部洗い，私はTシャツにパンツ無しで体に シーツを巻くといういでたちで寝るはめになった．体にシーツを巻くと，古代 ギリシャ人のようだ．
